T^3Japan第8回年会 プログラム詳細

2004年8月10日〜11日 筑波大学附属駒場中・高等学校

                       

8月10日(火)

A-1

一松 信(日本数学検定協会)   「球面上のよい配置について」

これは数学の問題だが,球面上の積分平均値と有限点集合P上の平均値とが,なるべく高次の多項式まで一致するのがよい配置である。4次元の正六百胞体120個の頂点が11次の多項式まで一致する記録的なよい配置があることを確かめた。                    [高専・大学・微分積分/発表形式/経験者]
A-2

白石和夫(文教大学教育学部) 「シンガポールの算数・数学教科書」

シンガポールは知識基盤社会の到来に備え,学校教育において考える力の育成に重点を置いている。算数・数学の教科書を入手し調べてみると,日本(あるいは韓国)などとは異なる点を見出すことができる。

                                                   [発表形式/初心者]

A-3

綿貫祥英(公文国際学園 高等部) 「数学の発見(TI-92を使った授業の実践例)」

中1〜高1までの生徒に対して,無学年方式でTI-92を使って,数量・図形・関数・プログラム・暗号までを指導し,生徒に探求活動をさせた事例報告。問題点と可能性について。                    [中・高/発表形式/両者]

B-1

石川理雄(愛知教育大学附属高等学校)   「テクノロジーを使って,数学を楽しむ

「数学を楽しむ」をテーマに,愛知教育大学で「学校数学研究A」の授業を担当しています。TI-92Plusを使って,「自分で考えること」,「探究すること」を楽しむ授業実践と大学生のすばらしさを紹介。

 [高・大/Workshop/両者]

B-2

佐伯昭彦(金沢工業高等専門学校   「テクノロジーの性能による誤り現象を授業に活かす方法について」

テクノロジーの性能の制約によって出力された誤った現象を逆利用して,生徒に興味・関心を持たせながら誤り原因を数学的に解決することができる。本ワークショップでは,幾つかの具体的事例をもとに,誤り現象を授業にどのように活かすことができるかを参加者とともに議論する。 [高・数学C,微分積分/発表形式/両者]
B-3

三尾善之(金沢工業高等専門学校・学生)   「高専生が紹介するTI-83PlusとVirtual TIの使い方」

5年間グラフ電卓を使ってきた中で,自分が考えたことや創り出したもの,そして便利だと思った使い方について発表する。また,Virtual TIを利用したレポート・授業用プリントの作成方法も紹介する。

[その他/発表形式/両者]

C-1

小出岳夫(茨城県立水戸第三高等学校)  「平面図形(高校数学A)の指導について考える」

平面幾何の指導でお困りの先生方,ご一緒に考えませんか?生徒達に伝えたいこと,考えさせたいこと,感じさせたいこと,それらをどのように教材に込めたらよいか,Cabriを用いて考えてみたいと思います。 

 [数学A/発表形式/両者]

C-2

牧下英世(筑波大学附属駒場中・高等学校)  「予想から証明へ−CabriUを使って−」

作図を通して,成り立つことを予想する。成り立つことが予想できれば,証明への推進力になる。中学3年生に指導したことを振り返りながら,参加者と一緒にCabriUを操作しながら,予想することの重要性を実感したい。

[中・図形関係,高・数学A/workshop/初心者]

C-3

垣花京子(筑波女子大学)  「遊園地で数学を探そう−Cabri Geometryを使って」

関数をいろいろな動きを表すツールとして使えるようになりたいという考えから遊園地の遊具の中の動きを図形ツールを使って作図し,軌跡を利用し,その関係を視覚的に捉える。

[高・数量と図形の融合/Workshop/両者]

D-1

公庄庸三(清風高等学校)  「New Math Symphony with Technology 高校用教科書発行」

4年の歳月をかけてtechnologyを使用して数学を学習する中高一貫の教科書が10冊完成した。あと2冊で完結である。今回は高校用の4冊を紹介しながらT3活動を振り返る。               [中・高/発表形式/両者対応]

D-2

阿蘇和寿(石川工業高等専門学校)  氏家亮子(金沢工業高等専門学校) 

梅野善雄(一関工業高等専門学校)  勝谷浩明(豊田工業高等専門学校)

冨山正人(石川工業高等専門学校)  長水壽寛(福井工業高等専門学校)

馬渕雅生(八戸工業高等専門学校)  森田健二(石川工業高等専門学校)  中澤房紀(Naoco Inc.)

 「TAMS Project 1「関数とグラフ」の教材と授業実践」

数学の授業を変えようという運動 (TAMS) のはじめの一歩として「関数とグラフ」の教材を揃え,授業報告をしていこう活動が始まった。本発表では,この活動の目的や実践内容,教材などをテクノロジー活用の側面から紹介する。                                                                                                                 [発表形式/両者]

D-3

坪川武弘(福井工業高等専門学校)  長水壽寛(福井工業高等専門学校)

梅野善雄(一関工業高等専門学校)  阿蘇和寿(石川工業高等専門学校)

「---TAMS Project 2 に向けて--- 「探究活動カレンダー」を作ろう」

テクノロジーを使うかどうかに関わらず,いろいろな学校で様々な探究活動を取り入れた授業が行われている。にもかかわらず,「授業に探究活動を」というと,何をしていいか分からないとか効果がはっきりしないという声が後を絶たない。そこで数学のカリキュラムに沿って,どこでどんな探究活動をすればどういう効果があるかということを示した一覧表「探究活動カレンダー」があれば便利だと考えた。この発表では作成中のカレンダーの紹介とともに,さらに充実させていくための呼びかけを行う。                    [発表形式/両者]

E-1

勢子公男(練馬区立光が丘第一中学校)  「多角形の内角の和の周辺」

中学校選択数学2年の授業の実践報告。多角形の内角の和の学習から思わぬ発展教材へとなった。グラフ電卓の有効な使用と何より生徒と一緒に楽しめた授業になった。   [中・数量と図形の融合/Workshop/初心者]

E-2

大西俊弘(奈良女子大学文学部附属中等教育学校)  「米国T3見聞録」

今年3月にニューオーリンズで開催されたT^3年会に参加して感じたことをお話しし,印象に残った発表を再現してお見せします。                                                      [高・数学T,数学U,数学V/発表形式/両者]

E-3

櫻井将人(青森県立名久井農業高等学校)  「グラフと代数計算…いったりきたり」

基礎力の低い生徒にテクノロジーを使ったアプローチで,グラフと代数式の関係を理解させようとしたところ……。                                                                                          [高・数学T/発表形式/初心者]

F-1

佐藤 一(静岡県立御殿場高等学校) 「Approching Familiar Phenomena Using Graphing Calculator」

身近な現象として気象を取り上げ,観測データの解析を行うことを通して数学を学び,さらには科学的な考えを養うことを行っている実践例を報告する。また他の事例も報告する。 

 [高・数学と科学の融合/発表形式/両者]

F-2

小林茂樹(長野工業高等専門学校) 「nootbookによる講義ノート」

Mathmaticaのnotobookによる講義ノートを利用した講義。               [高専・微分積分/発表形式/初心者]

F-3

竹内知則(茨城県立石下高等学校) 「グラフ電卓による生徒のグラフ認識に関する一考察」

歩く様子をデータ収集機を用いて「時間と距離のデータで表示」した。生徒のグラフの認識,生徒の取り組みに変化が生じた。                                               [高校・/発表形式/初心者]

講演

       「シンガポールの数学教育とテクノロジーの利用」

              Dr. Ng Wee Leng (シンガポール国立教育研究所

                                          通訳付きです。

8月11日(水)

A-1

高橋寿弥(千里国際学園中等部・高等部)  「2次の正方行列の対角化」

2次の対角行列でない行列を対角化することを,TI-83Plusを用いて確かめる。

[高・数学V/Workshop/初心者] 

A-2

高遠節夫(木更津工業高等専門学校)  「和算の環円問題と数式処理」

和算の環円問題は図形的にも美しいが,計算は難解であるものが多い。ここではある公式を導出して,数式処理のグラフ機能で表示することを考えたい。                      [図形関係/発表形式/両者]

A-3

川谷亮治(福井大学工学部機械工学科)  「専門教育(制御工学)におけるグラフ電卓の活用事例」

著者が所属する福井大学工学部機械工学科学部3年生の講義『制御システム』において,希望者にグラフ電卓 TI-92Plus の貸し出しを行った。その教育効果について報告する。         [大学・工学/発表形式/両者]

A-4

川谷亮治(福井大学工学部機械工学科)   高田直人(長野県駒ヶ根工業高校)

「グラフ電卓で体験する身近な科学」

グラフ電卓にマイコンを接続することによって様々な情報を自由に扱うことができるようになる。昨年度に引き続き,筆者らが開発したシステムを利用したいくつかの事例紹介を行う。 

[大学・数学と科学の融合・工学/発表形式/両者]

A-5

梅野善雄(一関工業高等専門学校)  「TeXのインストールと関数グラフの作成方法」

数学の教材プリントの作成に有用なTeXのインストールの方法と関数グラフの作成方法について説明する。

[発表形式/初心者]

B-1

安随 敬(兵庫県立三田祥雲館高等学校)  「グラフ電卓とインターネットを利用した遠隔地間の学習活動」

TI-89, TI-Presenter, IP電話などを利用したインターネット経由による遠隔地間における学習活動の共有について。                                                                                                          [高/発表形式/両者]

B-2

駒野 誠(筑波大学付属駒場中学校・高等学校)

「極座標系と正規直交座標系の往来」                                               [数学U,数学C/発表形式/両者]

B-3

中込雄治(東京都立南多摩高等学校)  黒木伸明(上越教育大学)

「作図活動によって関連付けられるもの―図形ソフトCabriの活用―」

作図活動によって,様々な図形の性質を関連付けられる。例えば,平行線を引く作図であれば,平行四辺形や台形や中点連結定理など平行を含むものが全て活用できる。「平行線の作図に中点連結定理が結びつくなんて凄い発見だ」という生徒の声から,そこで育まれるものに着目していきたい。

[高・数学A/発表形式/両者]

B-4

井之上和代・坪川武弘(福井工業高等専門学校)  「声の分析でわかるフーリエ級数」

人の声は基本となる音とそのn倍音で構成されています。音センサーとグラフ電卓を用いて私たちの実際の声を分析してみましょう。フーリエ級数の考え方が役立つことがわかります。

[高・高専数学,数学と科学の融合,物理,/Workshop/両者]

B-5

山根英司(関西学院大学理工学部)  「三角関数のn倍角の公式」

n倍角の公式の適切な定式化を見出すために数式処理電卓で計算機実験を行なう。チェビシェフの多項式を導入し,それを背景に持つ大学入試問題を解説する。行列を使って漸化式を書けば,始めの数十項は容易に求められる。また,Newton法でcos 2π/7の近似値を求める。             [数学UVC,微積分/Workshop/両者]

C-1

渡辺 信(東海大学)  「グラフを見て考える微分積分入門」

グラフを見ることからはじめる微分積分の入門を考える。実際にグラフ電卓を用いて,これからの微分積分がいかに人類に役立つかを考えるために,その補助としてのグラフ電卓の使用を考える。

 [数学U,微分積分/workshop/初心者]

C-2

藤井一正(大阪教育大学附属高等学校 平野校舎)  「テクノロジー利用紹介「数学T」編」

今年度は「数学T」の担当です。授業でのテクノロジーの利用状況を紹介する予定です。

 [数学T/Workshop/初心者]

C-3

長水壽寛(福井工業高等専門学校)  「最大・最小問題−缶詰の大きさは」

前半は微分可能性をTI-89を通して見てみる。後半は,実際に缶詰を測量して表面積と体積の関係から,理想の缶詰と実際の缶詰を比べてみる。                                        [高・数学U,微分積分/Workshop/両者]

C-4

渡辺 信(東海大学)  「数学定理を作るための補助としてのグラフ電卓」

グラフ電卓が必要な時は,自分で考えている時であって,公式を利用して問題を解くときではない。どんな定理が作れるかを学生の様子を踏まえて,グラフ電卓の活用について考えたい。なぜ,日本ではグラフ電卓を使う機会がないかが見えてくる。                                          [中・数量関係,高・数学T/発表形式/初心者]
D-1

福井工業高等専門学校 数学科  「大人にも使えるTI-89(入門編)」

恒例の初心者の方の入門及び使っておられる方にも参考になるワンポイントアドバイス講座です。今年は数式処理,微分の導入,確率での実験など多彩なメニューを用意しています。福井高専での利用例をもとに手軽に使ってみましょう。                                             [高校数学,高専,科学の融合,物理/Workshop/両者]

D-2

梅野善雄(一関工業高等専門学校)  「3次・4次関数に関する高専1年生の発見」

高次関数のグラフの特徴について考察させたところ,微分法を利用することなく,幾人かの学生(高専1年生)が極値に関するある性質について報告してきた。その概要を紹介する。             [高・数学T/発表形式/両者]

D-3

公庄庸三(清風高等学校)  「高校1年生数学特別講義報告」

高校1年生の希望者を募って,毎週土曜日に2時間の特別講義を行っている。今年は関数論。technologyを使ってゼミ形式でわいわいがやがやあっと驚く出来事が毎回起こります。

[数学T,数学U,数学V/Workshop/両者対応]

E-1

宇津野 仁(清風中学校)  「Cabriを使って合同条件を見つけよう」

中学生2クラス90名に常時TI-92plus持たせて授業をしている。その実践報告をwork shopを混ぜながら発表する。                                                                                          [中・図形関係/Workshop/両者対応]

E-2

武藤寿彰(静岡市立籠上中学校)  「テクノロジーを生徒が操作し,発見・納得・感動のある授業を」

TI92やVoyage200を生徒が操作する中1の関数と,数の法則を発見していく中3の授業の紹介。中1の関数では,Cabri上の単純な図形を変形し,その測定値を記録していくことで,生徒は様々な関数関係を追求した。様々な関数が存在することや,関数関係を捉える面白さ,グラフ・対応表・式のそれぞれで関数を表すよさなど,関数を幅広く学ぶ学習展開にすることができた           [中・数量と図形の融合,数量関係/発表形式/両者]

E-3

保科 元(山形県三川町立三川中学校)  「牛乳パックの秘密を探ろう」

1リットル入りの牛乳パックの形,大きさがどうしてこのようになっているのだろうか?どうして紙で作られているのだろうか?など,子ども達から出された素朴な疑問を解き明かす授業を行ってみました。

[中・数量と図形の融合/Workshop/両者対応]

E-3

保科 元(山形県三川町立三川中学校)  「牛乳パックの秘密を探ろう」

1リットル入りの牛乳パックの形,大きさがどうしてこのようになっているのだろうか?どうして紙で作られているのだろうか?など,子ども達から出された素朴な疑問を解き明かす授業を行ってみました。

[中・数量と図形の融合/Workshop/両者対応]

E-4

細矢和博(東京大学教育学部附属中等教育学校)  「統計の授業実践の報告」」

中学3年生に対しての実践報告。相関関係にある2量(気温と桜の開花日)についてのグラフ表現を考えさせ,その傾向を表すものとして回帰直線を求めさせた。さらに,その直線を使って,今年の開花日を予想。

 [中・数量関係/発表/両者]

F-1

板垣裕子(青森県立野辺地高等学校)  「軌跡と領域,三角関数」

軌跡と領域:不等式の表す領域・円を境界線とする領域・連立不等式の表す領域。三角関数:正弦,余弦,正接のグラフ。                                                                                    [高・数学U/発表形式/初心者]

F-2

河合伸昭(岡山市立後楽館高等学校)  「「岡山後楽館特製対数表」&「君もケプラー」」

「岡山後楽館特製対数表」では,グラフ電卓を用いて,教科書に載っていながらどうやって作れるか生徒は全然知らない対数表を,電卓のべき乗機能だけを用いて作りました。「君もケプラー」では,太陽系の天文データから対数を用いて「ケプラーの第3法則」を導きました。グラフ電卓のプロット機能を使いました。

[高・数学U/Workshop/両者]

 

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